忘れ去られた?ダイオキシン

2022年3月25日に環境省より、令和2年(2020年)度のダイオキシン類に係る環境調査結果が発表されました。

命令が発令された件数は大気12件・水質0件、指導が行われた件数は大気780件・水質29件。

大大気及び土壌では、全ての地点で環境基準を達成していたが、公共用水域の水質・底質及び地下水質では、それぞれ環境基準を超過した地点がありました。

下記の記事にも書きましたが、2000年頃まであんなに話題になっていたダイオキシンも、焼却処理施設の進化によって全く話題にもされなくなってしまいましたね~。

↑ ダイオキシン以外の環境ホルモンについても書いています。興味がある方はぜひご覧ください。

しかし!環境省はずっと調査を続けているのですよ。
それぐらい分解されないのです。

2011年~2016年、環境省は有害な化学物質の曝露状況のモニタリング調査を行っています。健常な人490名の血液と尿を用いて測定。

(2011年から始めたってことは・・・。と勘ぐってしまうのは私だけかしら。)一応調査目的は下記の通り。

・ 日本人の体内中のダイオキシン類をはじめとする化学物質の蓄積状況を把握すること
・ 過去、調査を行った対象者に対して再びダイオキシン類の測定を行い、経年変化
を把握すること
・ POPs(残留性有機汚染物質)について、ストックホルム条約で求められている生
体試料におけるモニタリング調査を行うこと

この調査によると、ダイオキシンを含む有害な汚染物質に全員が曝露しているということ!
これらの残留性有機汚染物質類は、1950年頃~1970年代を中心に生産・使用されてきたものです。
現在は毒性・残留性が高いため法規制されているのです。
ほとんど生産されていないにもかかわらず、いまだに分解されずに残っていて、国はいまだに調査しているのですよ。

2016年にもヒトの血液や尿から検出されるということは、作物や海洋生物から食物連鎖で人間の体内にも取り込まれているということになります。

このモニタリング調査では、ダイオキシン以外にもカーテンなどの難燃剤に使われているポリ臭素化ジフェニルエーテルや、テフロンなどのPFOS, PFOA(フッ素化合物・PFASの一種)も全員から検出されているとのことです。

2022年4月14日の日経産業新聞に、アメリカではPFASへの関心が高まっているとの記事が掲載されていました。

バイデン政権が「有害物質」への指定など規制強化に本腰をあげた。
(中略)
2024年までに広範囲で進める規制作りの工程を示した「戦略ロードマップ」を発表。

2022年4月14日の日経産業新聞

アメリカでも規制の方向に進んているし、そのうち日本でもそうなると願いたいですね。(日本は規制が遅いですからね~。)

まずは自分自身で予防しないとなと思いますが、気にしすぎるのもね。
ただ、売っているものが全て安全・安心なんて思ってはいけないと、調べれば調べるほど思います。